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50. .必見!ポール・ギルバートの奏法を再確認 | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
ついにこのコーナーも50回目ということで、ここでひとつポール・ギルバートの奏法を再確認してみようということにしました。と言いながら、ポールの楽曲からフレーズを解説するものではなく、ポールの奏法から引き出した、理想のピッキングとフィンガリングを考えてまとめてみようということですが、、、
ここまでポールの弾き方をずっと追っていると分かるんですが、彼はいつも基本に忠実に弾いています。そして、いろいろなアイデアで効率よく弾くことを常に研究しているみたいです。
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整理していきたいと思います
基本に忠実とは言いましたが、ポールの奏法の特徴を整理していくと、やはり何らかの癖は出てきます。まあこの癖が個性というか特徴なのではありますが。
さて、今までピッキングのことをかなり書きましたが、結局のところどうなの?っていう声が聞こえてきそうなので、ここで整理してみましょう。(笑)
やはり、まずはピッキングから
ここでいうピッキングとは、主に速弾き用のピッキングのことです。お間違えの無いように。
ポールのピッキングは粒がそろってアタックが強く、聞いていて実に気持ちいいです。ここまでのきれいなピッキングを会得するのはなかなか大変だと思います。ですが、要所要所のポイントを押さえれば不可能ではないとも思います。そこで今までの研究結果を分かる限りまとめてみました。
以下はいくつかのポイントです。
- 指は屈伸させないピッキング。(極力手首の動きだけで弾き、指はアングル調整程度にとどめる)
- ピックを握る力を入れない。(力を入れてしまうとアタックの強弱をつけにくくなってしまうので)
- ピックが弦に当たる部分は一定の深さを保つ。(主に速弾き、アクセントをつける時には深さを変える)
- 効率よく小さな振りのピッキングを目指す。(大きく振りすぎると速く弾けないのと同時に、ノイズも増える)
- 手首を横に振ったり、回したり、その時々で変えることもある。(リズムピッキングの時とソロ、ゆっくりの時と速弾きの時では変えている)
- オルタネイトピッキングとエコノミーピッキング。アングルの違いによる音の違い。(大きく違うピッキングスタイルを使い分ける)
- アウトサイド・ピッキングを多用する。(指の屈伸よりも手首を使ったピッキングは、少々大振りにしやすい為、アウトサイドの方が効率がいいと考えられる)
- スウィープよりもストリング・スキッピングを多用する。(アウトサイド・ピッキングの発展型といえる奏法で、ハンマリングやプリングをうまく絡めながらピッキングをしていない箇所を増やすことで、効率よく弾いていく)
- 支点を考える。(適当に弾くよりは解決策になる)
- スリー・ノート・パー・ストリング・スケールで規則性のあるピッキングで効率よく弾く。
説明していきます。
1.指は屈伸させないピッキング
「極力手首の動きだけで弾き、指はアングル調整程度にとどめる」ということですが、これは一定の動きでピッキングすることによって、弦に当たる深さや力加減がいつも同じになるようにするための狙いです。多少指に力が入ることもありますが、なるべく一定のアングルで指を大きく屈伸させないようにして、粒を揃える事を意識して弾くとよりポールらしくなるでしょう。
ポールはサークルピッキングはしないんですが、私はサークルピッキングを否定はしていません。ただサークルピッキングを覚える前にしっかりと基本のピッキングは出来るようにしてからの方がいいと思うだけです。基礎が出来上がっていない内から指を屈伸した弾き方をすると、ピッキングにバラつきが生じて、リズムの乱れやカスッたり弾ききれなかったりと、ミスが多くなります。理想はいつも同じ角度で、同じ深さで同じ力加減です。これを元に変化をつけるとアクセントや抑揚が付け易くなるということです。ですが、弦移動したりプレーン弦と巻き弦の違いによる角度や抵抗の差が邪魔をしてきますので、「完全に同じ」を実践することは不可能です。それでも基礎を作る上ではまず、「同じ」を心掛けるといいでしょう。
以下は参考ページです。
D世界初解析! ポールのピッキング | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
Eピッキングに悩む人だけに、こっそりと | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
40. 大村、藤岡推奨のサークルピッキングを解く | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
2.ピックを握る力を入れない
「力を入れてしまうとアタックの強弱をつけにくくなってしまうので」
これも基本中の基本でしょう。たまに力を入れ過ぎて弦を引きちぎらんほどにに弾く人を見ますが、こういう人のピックは大概ガタガタに削れています。アタックやリズムのコントロールもしにくいし、それに腱鞘炎にもなりかねませんので早めに改造をした方がいいでしょう。
私の解釈としては、指の先端には力を入れずに手のひら全体に神経を集中するようにした方がいいように感じます。
個人的には、柔らかいピックで練習するといい感じです。ピックのしなりでおくれを感じる人は力が入っているのではと思います。ピックが落ちる寸前まで力を抜くようにして弾き、アクセントでちょっと力を込めるという練習方法が効果的だと思います。
柔らかいピックは弦に負けてしまうと思っている人もいますが、そんなことはありません。早く弾く時は先端を使えばそれほど柔らかくなく、リズムを弾く時は大きく振りかぶって、ヒットする瞬間に多少力を入れればうまく弾けます。コツはピックが長時間弦に触れていないようにすることだと思います。
3.ピックが弦に当たる部分は一定の深さを保つ
「主に速弾き、アクセントをつける時に深さ変える」
ピッキングの機械になる!そういうつもりで一定を保つ!通常はそうですが、アクセントをつける時は深くピックを入れて弾く!こんなかんじです。
これは上の【2.ピックを握る力を入れない】のときもアクセントのことを言いましたが、深さの件はポール自身が言っていました。アクセントの部分で強く弾く時、力よりも弦にあたる深さを変えることでコントロールしているとのことです。しかし若干力は入ってしまうのはしかたないでしょう。でなけれはピックを落としてしましますからね。
4.効率よく小さな振りのピッキングを目指す
「大きく振りすぎると速く弾けないのと同時に、ノイズも増える」
力を入れずに一定の動きで弾くためには、ピックの先端でごく浅く小さくストロークすれば、速く力を抜いたピッキングができる!こういう理論です。先端で弾けば弦からの抵抗も少なく無駄な振動も少なくなりますので、ノイズも減らすことができるということです。
ですが、この件に関しては指の屈伸を使ったサークルピッキングの方がより小さく出ると思います。
以下の記事での映像に出てくる大村孝佳氏が最も小さなピッキングで弾いているところがあります。
40. 大村、藤岡推奨のサークルピッキングを解く | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
5.手首を横に振ったり、回したり、その時々で変えることもある
「リズムピッキングの時とソロ、ゆっくりの時と速弾きの時では変えている」
ゆったりしたフレーズではどんなピッキングでも比較的楽に弾けるでしょう。横に振るタイプでも回すタイプでも。しかしこれが速弾きとなると、そううまくはいかない。ゆっくりの時に較べて、弾きにくいピッキングが出てきます。また、フレーズに応じて変えていかないといけません。リズムピッキングもそうです。1種類だけで弾こうとしている人はたぶんいないと思いますが、あまり意識していない人は多いかもしれません。ゆっくり練習してみて自分のピッキングにいくつかの種類があることを把握し、理解しながら、スピード向きかリズム向きかなどを考えてみましょう。
6.オルタネイトピッキングとエコノミーピッキング。アングルの違いによる音の違い
「大きく違うピッキングスタイルを使い分ける」
オルタネイトで弾く時とエコノミーやスウィープで弾く時は当然音色が違います。アングル角度や寝かせ角度が変わるからだと思います。逆アングルを使う人もいます。振り幅や深さと共にアングル角や寝かせ角が加わってより複雑になりましたね。これも自分に合った方法をいくつか持っているといいですね。
26. 逆アングルのピッキングのリスク | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
28. Dr.シーゲルの信者 | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
29. アングルの違いによる音の変化検証 | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
7.アウトサイド・ピッキングを多用する
「指の屈伸よりも手首を使ったピッキングは、少々大振りにしやすい為、アウトサイドの方が効率がいいと考えられる」
私はどちらかというとインサイドだったんですが、スキッピングを多用しようとするとアウトサイドの方がミスが少なくなるために練習をしました。弦の外側をピッキングするので大きく動かさなといけないのと、結果的に速さも必要になります。ミスピッキングが少なければインサイドの方が断然早いと思いますが、スキッピングをコントロールするためにはインもアウトも出来るようにした方がいいと思います。
M基本はアウトサイドピッキングを鍛えること | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
8.スウィープよりもストリング・スキッピングを多用する
「アウトサイド・ピッキングの発展型といえる奏法で、ハンマリングやプリングをうまく絡めながらピッキングをしていない箇所を増やすことで、効率よく弾いていく」
スキッピングの利点は、リズムが乗せにくいスウィープがきれいにアクセント付きにできる点や、ピッキングの回数を減らしてもフィンガリングがその分稼いでくれる点。これにより、あいまいなスウィープにありがちな音のダンゴ感が減り、スーパープレイに変身してしまうお得なプレイなのです。ハンマリングやプリングなどのフィンガリングががんばってくれてのことですからピッキングだけの奏法というわけではないんですけど。
Sストリング・スキッピングの法則を覚える | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
23. スキッピングを自由自在に操る | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
9.支点を考える
「適当に弾くよりは解決策になる」
なかなか簡単には弾けないのはどうしてか?支点や作用点を考えてみると答えが出るかもしれません。腕から振る人や、手首、指と支点が変わると小さなピックを動かす為の力加減も変えないといけません。腕を支点にした場合は大振りするのには楽でも、小さく弾くには少々不正確。逆に指の支点だけだとアタックの利いたパワーコードを鳴らすのには非力かと。ピッキングにはその時々に応じて支点を変えなくてはいけません。これを理解すれば速弾きのピッキングもリフも上手くコントロールできるでしょう。
N誰も知らない支点を理解すれば楽々ピッキング | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
10.スリー・ノート・パー・ストリング・スケールで規則性のあるピッキングで効率よく弾く
要するに1本の弦上に3音を弾く。こういう構成でスケールを弾いていくと、ピッキングの規則性が出てきます。最初にダウンから始まった弦は次にアップ、その次にダウン。と弾き、次の弦に移るときは、アップから始まってダウン、アップ。次の弦はまたダウンから。弦が変わるたびにダウンとアップが交互に入れ替わります。この規則性が速弾きに効果的なのです。
Pスリー・ノート・パー・ストリング・スケール | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
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一方フィンガリングの方はというと
こちらも主にソロ用のフィンガリングです。
こちらはというと、まず中指よりも薬指に重点を置いた強化が必要になってくるのではないでしょうか。ポールの身長からして手の大きさはハンパないと思われますので、かなり大変ですが、そうも言っておれません。まあ、我々日本人にはかなりのリスクがありそうですが、藤岡幹大氏という身長158cmの手の小さなギタリスト(彼の奥さんより小さな手)があれだけのスーパープレイを見せてくれたおかげで、大きな励みができたのでポールの奏法を克服しやすくなったのではと思います。(笑)そんなこんなで左手強化のポイントは、、、
- なるべく中指のところは薬指で弾くことを意識する。(1音飛びのフォームで中指を使わない)
- ハンマリングやプリング、トリルなどを絡めたフレーズを練習する。(リズムが乱れないように長時間でも弾き続けられるように)
- 軽いタッチで指の動きを最小限にし、速く弾く。(よく、指を大きく上下に動かして弾く人を見ますが、効率が悪く不正確になりがちなので、ごく小さくする)
- ストレッチで弾くか、速いポジション移動で弾くか?(開くか飛ぶか?どちら派?)
- スリー・ノート・パー・ストリング・スケールで規則性のあるフィンガリングで効率よく弾く。(ピッキングと同じく、規則性がつけやすくなる)
1.なるべく中指のところは薬指で弾くことを意識する
「1音飛びのフォームで中指を使わない」
人間の指の中で一番弱い指、それが薬指だそうです。それが証拠に4本の指をすべて押さえた状態から、1本づつ順に上げていくと動かせる範囲が一番小さくなるのが薬指です。(親指は例外)これがフィンガリングの遅れなどにつながっているのであれば、強化するしかありません。ポールは積極的に薬指を使って弾いています。たとえば1音開きで弾く時。例)1弦3フレ、5フレ、7フレと押さえる場合。通常5フレ部分は中指で押さえる人が多いと思いますが、ポールはあえて薬指で押さえます。一説によると、手が大きすぎるために中指が邪魔で曲げて弾くのでこうなったとも言われていますが。楽ではありませんねこの弾き方。でもここがスーパーであるかどうかの分かれ道かと思います。がんばりましょう!
K薬指を鍛えると脳が刺激されて認知症になりにくい | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
L薬指を強化しつつピッキングも鍛える | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
2.ハンマリングやプリング、トリルなどを絡めたフレーズを練習する
「リズムが乱れないように長時間でも弾き続けられるように」
左手強化のポイントのひとつですね。ピッキングに頼らずとも延々と弾き続けられるトリルや、力を抜いたハンマリングやプリング。右手が故障しても左手があるさ!このぐらいの勢いが必要です。
3.軽いタッチで指の動きを最小限にし、速く弾く
「よく、指を大きく上下に動かして弾く人を見ますが、効率が悪く不正確になりがちなので、ごく小さくする」
この点はですね、ポールもそうなんですが、イングヴェイ・マルムスティーンもいいですね。できるだけ小さく動かして効率よく弾く。そうすれば速く弾けるという簡単な理論です。この練習には逆にできるだけ大きく動かす練習を繰り返して、柔軟性を出しながら大きくも小さくもコントロールできるようにするといいように思います。
4.ストレッチで弾くか、速いポジション移動で弾くか?
「開くか飛ぶか?どちら派?」
手が大きいとストレッチしたままで動かせますが、小さいとポジション移動で稼ぐしかありません。これは自分に合わせた方法しか取れませんが、どちらが上で正解なのかはわかりません。ポールはストレッチで、藤岡先生は移動で。どちらも上手い!ただそれだけです。
5.スリー・ノート・パー・ストリング・スケールで規則性のあるフィンガリングで効率よく弾く
「ピッキングと同じく、規則性がつけやすくなる」
間にツーノートが入ったりしないので規則性が出ます。基礎練習なんかには打って付けではないでしょうか。ピッキングの規則性と合わせて覚えやすく利点は大きいでしょう。
ここまでまとめたつもりですが、まだまだ気になる点は多いです
主に速弾きに重点を置いていましたから多少片寄りはあります。ギターの奏法はまだまださまざまな弾き方がありますので、またこれからも研究していきますので、よろしくお願いします。
もしよかったら 「はてブ」をよろしくお願いします。
このブログはコメント覧を設置しておりません。ご意見など、もしコメントされる場合は、「はてブ」をご利用くださればコメントできますので、よろしくお願いします。
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- 47. 合理的なストリング・スキッピングの作り方 | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
- ギター奏法をあらゆる角度から、追求と追及と追究をする。ギターを弾いたり、改造したり作ったり、ギター考察のコーナー。見ておくべきピッキング、 ポール・ギルバートに見るピッキングの極意、今回は合理的なストリング・スキッピングの作り方について。
- 48. ポールのピッキングフォームが変わった!? | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
- ギター奏法をあらゆる角度から、追求と追及と追究をする。ギターを弾いたり、改造したり作ったり、ギター考察のコーナー。見ておくべきピッキング、 ポール・ギルバートに見るピッキングの極意、今回は、新ピックアップの紹介映像に、ピッキングフォームを変えたポールの姿が、、、、
- 49. 藤岡幹大VS.ポール・ギルバート | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
- ギター奏法をあらゆる角度から、追求と追及と追究をする。ギターを弾いたり、改造したり作ったり、ギター考察のコーナー。見ておくべきピッキング、 ポール・ギルバートに見るピッキングの極意、今回は、藤岡幹大とポールの比較。
- 51. 支点の再確認で上手くなるか? | ポール・ギルバートに見るピッキングの極意
- ギター奏法をあらゆる角度から、追求と追及と追究をする。ギターを弾いたり、改造したり作ったり、ギター考察のコーナー。見ておくべきピッキング、 ポール・ギルバートに見るピッキングの極意、今回は、確認しづらいと言われる支点を再確認してみようという企画です。
- 第1回 「99%藤岡幹大(仮)」 | 知れば知るほど鬼才なギタリスト、藤岡幹大
- ギター奏法をあらゆる角度から、追求と追及と追究をする。ギターを弾いたり、改造したり作ったり、ギター考察のコーナー。2018年1月に急逝した、知れば知るほど鬼才なギタリスト、藤岡幹大の研究コーナー。初回は2018年4月に発売された、「99%藤岡幹大(仮)」
- 第2回 藤岡先生のギターの弦高のなぞに迫る | 知れば知るほど鬼才なギタリスト、藤岡幹大
- ギター奏法をあらゆる角度から、追求と追及と追究をする。ギターを弾いたり、改造したり作ったり、ギター考察のコーナー。2018年1月に急逝した、知れば知るほど鬼才なギタリスト、藤岡幹大の研究コーナー。第2回目は藤岡先生のギターの弦高について!
- 第3回 Common time’s Logic、藤岡先生はインサイド | 知れば知るほど鬼才なギタリスト、藤岡幹大
- ギター奏法をあらゆる角度から、追求と追及と追究をする。ギターを弾いたり、改造したり作ったり、ギター考察のコーナー。2018年1月に急逝した、知れば知るほど鬼才なギタリスト、藤岡幹大の研究コーナー。第3目は、藤岡先生のインサイドピッキングについて!